
投資事業有限責任組合 | 匿名組合 | |
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組合員数 | 制限なし 無限責任組合員は最低1人 |
制限なし |
組合員 | 個人又は、法人格が必要 | 制限なし |
投資対象財産 | 一定の制限あり | 制限なし |
契約関係 | 組合員全員の契約 1口の出資金額は均一 |
営業者と組合員との当事者間契約 1口の出資金額が相違しても問題ない |
登 記 | 無限責任組合員を登記することが義務 有限責任組合員は登記しないため匿名 |
登記しない |
財産の帰属 | あくまで組合員で共有保有(合有) | 営業者が法律的にも単独保有 |
倒産隔離 | 倒産隔離したSPC等が無限責任組合員 | 営業者の株主が有限責任中間法人等 |
投資意思決定 | 無限責任組合員、複数の場合、常務は各無限責任組合員、それ以外は過半数 | 営業者が原則、意思決定 |
財務諸表等 | 財務諸表等の備え付けが義務 | 財務諸表等の備え付けは任意 |
破 産 | 無限責任組合員が破産しても存続 全員の無限責任組合員が破産した場合も2週間以内に新たに選任できる |
営業者の破産によって当然に終了 |
投資家の税務 | パス・スルー課税 | パス・スルー課税 |
金融商品取引法 | みなし有価証券 有価証券届出書等の開示、提出が必要 |
みなし有価証券 有価証券届出書等の開示、提出が必要 |

投資家の税金
投資事業有限責任組合は、もともと未公開会社の株への投資を目的に作られました。その後の改正で、上場株やそれ以外の商品への投資もできるようになりました。ただ、今でも投資事業有限責任組合の事業は、ほとんどが株への投資となっているのが実情です。
ここで、株へ投資している投資事業有限責任組合の組合員(投資家)の税金が間違えやすいため、税務署から回答が公表されています。
まず、投資事業有限責任組合は民法上の任意組合なので、投資している株は投資家の共有になります。自分で保有していることと同じなので、投資家の税金は譲渡所得に区分されます。つまり、上場株であれば譲渡益に対して特例の10%(2007年12月まで)、未公開株であれば譲渡益に対して20%の税金がかかります。
次に、投資事業有限責任組合の特有な部分ですが、一定の要件を満たせば株雑所得又は株事業所得(株雑所得等)として区分されます。
雑所得や事業所得として認められれば、ファンドでかかった管理費用などを経費として差し引くことができます。
税務署は、下記の6つの要件を満たすことを条件に株雑所得等として認めます。
1. 株式等への投資を主たる目的事業としていること
2. 各組合員において収益の区分把握が可能であること
3. 民法上の任意組合が前提とする共同事業性が担保されていること
4. 投資組合が営利目的で組成されていること
5. 投資対象が単一銘柄に限定されないこと
6. 投資組合の存続期間がおおむね5年以上であること